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2018’企業買収の最新事例集まとめ

今年度の企業買収の事例としてあげたいのが、武田薬品工業のアイルランド製薬大手シャイアーを完全子会社化するための企業買収です。買収額は約460億ポンド(約6兆8000億円)でした。

 

日本企業による海外企業の買収案件では過去最高額となり、同社は世界の製薬業界で上位10社内に入ると同時に他の日系製薬企業を引き離すことになりました。

 

近年、なぜ同社が企業買収を積極的に展開するかというと、ジェネリックの台頭があります。少子高齢化によって社会保障費が増大し、財政圧迫を回避したい国は07年頃から、低価格のジェネリックの使用を政策的に推進し始めました。ジェネリックを積極的に使用した医療機関や薬局に対して診療報酬・調剤報酬を増やすといったインセンティブ(動機付け)を与えるようになりました。

 

その結果、長期収載品の市場では、1年以内に最低でも4割がジェネリックに置き換わるようになり、新薬・長期収載品を収益の柱としてきた製薬各社に大打撃を与えている事が要因です。しかしこうした同社の姿勢は株式市場などからはあまり評価されてはいません。

 

過去にも欧米の製薬会社の買収で「高値づかみ」を繰り返した事がありました。08年、米ミレニアム・ファーマシューティカルズ社を約88億ドル(約8900億円=当時)で、11年には、スイスのナイコメッド社を96億ユーロ(約1兆1000億円=同)で買収したが、いずれも数多くのアナリストが「高額過ぎる」と指摘しました。

 

アリアド買収を発表した直後、米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は、武田の長期格付けを格下げ方向で見直すと発表しました。

 

買収資金の7割超を借入金で賄う計画が、財務体質悪化の懸念を招きました。交渉下手と言わざるを得ませんが、それでも国内製薬各社が世界で生き残るためには、国境を超えた買収・提携は不可欠となっています。売り上げの失速は、ジェネリックを普及させるという国策の影響である以上、製薬各社は、新薬開発の歯車の回転速度を上げるしかないと言えます。

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